水力発電の基本原理は、水域の水頭差を利用してエネルギー変換を行うことです。つまり、河川、湖沼、海洋などの水域に蓄えられた水のエネルギーを電気エネルギーに変換するのです。発電に影響を与える主な要因は、流量と水頭です。流量とは、単位時間あたりに特定の場所を通過する水の量を指し、水頭とは、発電に用いられる水の標高差(落差とも呼ばれます)を指します。
水力エネルギーは再生可能エネルギー源です。水力発電は、地球の表面で水が高いところから低いところへ流れ、エネルギーを放出するという自然の水循環を利用しています。水循環は通常、年間サイクルに基づいているため、雨の多い年、平年、乾いた年などの違いはあるものの、サイクルの周期的な特徴は変わりません。そのため、水力エネルギーは太陽エネルギー、風力エネルギー、潮力エネルギーなどと同様の特性を持ち、再生可能エネルギーに属します。
水エネルギーもまたクリーンなエネルギー源です。水エネルギーは水域に自然に蓄えられた物理的エネルギーであり、開発・電気エネルギーへの変換過程において化学変化を起こさず、燃料を消費せず、有害物質を排出せず、環境を汚染することもありません。したがって、クリーンなエネルギー源です。
水力発電ユニットは、その柔軟で便利な開閉操作と迅速な出力調整により、電力系統のピークカット、周波数調整、緊急バックアップ電源として最適です。電力系統の運用改善、電力品質の向上、事故拡大防止において極めて重要な役割を果たします。火力発電、原子力発電、太陽光発電などの他の電源よりも高品質なエネルギー源です。
自然水力発電を有効活用するには、生態環境、技術力、社会経済要因、運用管理などを総合的に評価した上で、河川の適切な場所にダム、導水管、暗渠などの水理構造物を建設し、流量調整や水頭増加を図る必要があります。そのため、プロジェクトの初期段階は一般的に複雑で、多額の投資が必要となり、工期も長くなりますが、完成後は高い発電効率が得られます。

水力発電を開発する際には、洪水対策、灌漑、給水、船舶輸送、観光、漁業、伐採、養殖などの利益を含め、河川水資源の総合的な利用を考慮することがよくあります。
水力発電は河川流量の変化に影響を受け、洪水期と乾季の発電量に大きな差が生じます。そのため、大規模水力発電所の建設には、水頭を上げるだけでなく、年間(あるいは複数年にわたる季節)ごとに水量を調節し、雨季と乾季の発電量のアンバランスを適切に解決できる大規模な貯水池の建設が必要です。
水力発電は、中国の経済社会の質の高い発展において極めて重要な役割を果たしています。今世紀初頭から、「国宝」として知られる三峡ダムをはじめ、中国の水力発電技術は常に世界最先端を走ってきました。西洛渡ダム、白河潭ダム、武東徳ダム、香家壩ダム、龍潭ダム、金平二ダム、莱西岩ダムといった超大型水力発電プロジェクトも、世界有数の設置容量を誇ります。
投稿日時: 2024年10月18日