ターゴ水車の開発経緯と特徴

1. 開発の経緯
ターゴ水車は、1919年にイギリスのエンジニアリング会社ギルクス・エナジー社によってペルトン水車の改良版として発明された衝動水車の一種です。その設計は、効率の向上と、より幅広い落差と流量への適応を目的としていました。
1919年: ギルケスは、スコットランドの「ターゴ」地域にちなんで名付けられたターゴタービンを発表しました。
20 世紀半ば: 水力発電技術が進歩するにつれて、ターゴ水車は小規模から中規模の水力発電所で広く使用されるようになり、特に中程度の落差 (20 ~ 300 メートル) と中程度の流量の用途で優れた性能を発揮しました。
最新のアプリケーション: 現在、Turgo タービンは、その高い効率性と汎用性により、マイクロ水力発電や小規模から中規模の水力発電プロジェクトで人気の選択肢となっています。

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2. 主な特徴
ターゴ水車はペルトン水車とフランシス水車の両方の利点を併せ持ち、次のような特徴を備えています。
(1)構造設計
ノズルとランナー:ペルトン水車と同様に、ターゴ水車はノズルを用いて高圧水を高速ジェットに変換します。ただし、ランナーブレードは角度が付けられているため、ペルトン水車の左右対称の両側流れとは異なり、水はランナーブレードに斜めに当たり、反対側から排出されます。
シングルパスフロー: 水はランナーを 1 回だけ通過するため、エネルギー損失が削減され、効率が向上します。
(2)適切な揚程と流量範囲
落差範囲: 通常 20 ~ 300 m の範囲内で動作し、中~高落差 (ペルトン水車とフランシス水車の間) に最適です。
流量適応性: コンパクトなランナー設計により高い流速が可能なため、ペルトン水車に比べて中程度の流量に適しています。
(3)効率性とスピード
高効率: 最適な条件下では、効率は 85~90% に達し、ペルトン水車 (90% 以上) に近いですが、部分負荷ではフランシス水車よりも安定しています。
より高い回転速度: 斜めの水の衝撃により、ターゴ水車は一般にペルトン水車よりも高速で稼働し、ギアボックスを必要とせずに発電機に直接接続するのに適しています。
(4)メンテナンスとコスト
シンプルな構造: フランシス水車よりも保守が容易ですが、ペルトン水車よりも若干複雑です。
コスト効率が高い: 特に中落差用途では、小規模から中規模の水力発電においてペルトン水車よりも経済的です。

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3. ペルトン水車とフランシス水車との比較
特徴 ターゴ水車 ペルトン水車 フランシス水車
頭数範囲 20~300 m 50~1000 m以上 10~400 m
流量適合性 中流量 低流量 中高流量
効率 85~90% 90%以上 90%以上(ただし部分負荷時には低下)
複雑さ 中程度 単純 複雑
主な用途 中小規模水力発電 超高落差水力発電 大規模水力発電
4. アプリケーション
Turgo タービンは特に以下の用途に適しています。
✅ 中小規模の水力発電所(特に落差20~300m)
✅ 高速直接発電機駆動アプリケーション
✅ 流量は変動するが、水頭条件は安定している

バランスのとれた性能とコスト効率により、Turgo タービンは世界中のマイクロ水力発電およびオフグリッド発電システムにとって重要なソリューションであり続けています。 


投稿日時: 2025年4月10日

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